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えっ!最高裁まで!



オンブズパーソン VOL.54
■発行日/2007.7.28 HPアドレス www.ombuds.gr.jp  例会開催 毎偶数月第1日曜日午後
●編集・発行/NPO法人市民オンブズ富山 〒930-0074富山市堀端町1-12 富山中央法律事務所内 (076)423-2466 FAX423-0699  【年会費3000円】振込先 / 郵便振替00770-6-9841



       ト ピ ッ ク ス

えっ!最高裁まで!  
   <(_ _)> 元締めか?中沖知事退職金返還住民訴訟
     超スピード上告棄却

 7月20日最高裁は,市民オンブズ小矢部の会員が申し立てていた中沖前知事退職金返還住民訴訟の上告及び上告受理申立について,上告棄却・上告不受理の決定を行いました。1月前の6月18日に最高裁に記録が到着して審理を始めたとみられてから32日目。論点の難しさからみて,異常とも言える超スピード決定でした。
 この原因は,控訴審判決があまりに杜撰・非論理的であったため,おりから首長の退職金の高額さに対する批判が自民党内部からも起きている情勢の中     (下の新聞記事を参照)


審理が長引いて市民の関心が高まってくれば,このことが露呈して裁判の権威が落ちることを最高裁がおそれたこと,逆に現時点では県民の関心がたかくないと見られたことにあるのではないかとみます。 そこで,前号(53号)でみた控訴審判決の問題点を再確認しておきます。

控訴審判決の不合理を再確認
1 条例と決議は相違がないとする判断 まず,控訴審判決は,住民が直接改廃請求できることが法的に保障されている「条例で決める」場合と,これが認められない「決議」による場合を比較して,「前者がより民主的であるとは言えない」,として直接条例改廃制度による住民の影響力を無視・軽視しています。
 しかし,まず,直接民主制と間接民主制は異なる制度で,どちらが「より民主的である」といは言えず,このこと自体が非論理的です。また,判決は,仮に条例改廃請求権の行使を重視しても条例ではなく決議で定めるとしている本件条例自体に対して住民は改廃請求できたのだから,原告住民の主張には理由がないとしています。しかし,本件条例に対して改廃請求できるかどうかということと,高額の金額を定める条例に対して改廃請求できることはどうみても別問題で,この点でも判決は非論理的です。
2 選挙による変更の可否について
 また,判決は,条例なら予め高額であることがわかるので選挙の争点になって内容が修正される可能性があるが,議決では,そのときにならないと金額が決まらないので争点化出来ないという差違について,個々の退職手当の支給ごとに金額を議会で決議する場合の方が,予め条例で定められた金額が自動的に支給される場合に比べ,より住民の
関心を惹きやすい面があるので問題にならないとしました。
 しかし,住民が関心をもつのは退職金額の多寡であり,どんなふうに決まるのだろうか,と言うことに対する関心の方が強いと考える人がいるでしょうか?
 なお,判決は,金額が不当であれば決議の場合でも住民が議員に働きかけたり,あるいは事後の議員選挙においてその点が争点となる可能性もあるから,条例による場合に比較して,住民のコントロールの観点から直ちに劣るものと断定することはできないとしています。
 しかし,決議の場合の議員への働きかけは単なる要請・お願いに過ぎず,条例改廃請求権の対象と場合に条件をみたせば必ず当該条例が改廃される保障があるのとは大違いです。まして,事後の選挙での争点化などは,まさに「後の祭り」です。こんなことで差がないとする判決の考察は杜撰と言うほかありません。
3 議会と執行機関との抑制・均衡の点
 判決の論理破綻が最も際だつのは次の部分です。
 判決は,理由も示さず,議会が決議によって額を定める場合に議会権限が過大となり,知事と議会との抑制・均衡関係が崩れるとまでいうことはできないとしています。しかし,長野県の田中知事の退任時のように,知事が議会と対立している場合,議決で議会が自由に退職金額を決められることは,退任近くなった知事の職務に影響を与えることは明らかです。
 そして,判決は,今回は他府県や前任者の例など各種条件を考慮して金額が定められたから,知事と議会との抑制・均衡関係を崩すことになるとまでいうことはできないとした判断しています。
 この点が今回の判決の一番おかしなところです。今回退職金額は知事が退職してから検討が始められ,決定されています。退職前に退職金額が決まっていなければ知事の立場に影響がないとは言えません。判決は,時間の先後関係を無視した非論理的な判断を示しているのです。
 何故最高裁はこんな非論理的な判決を維持したのでしょうか。この判決の非論理性は,おそらく中学生でも理解できると思います。このことが広く知られ,高裁で行われている判決がこんなものだと知られたら,日本の裁判全体に対する国民の目が違ってくるでしょう。このことを最高裁は最もおそれたのだと思います。したがって,おかしな判決だと考えても上告を入れて破棄など出来ません。そんなことをすれば世間の注目度は最高度に達します。他方,
のんびりと審理していると,この判決の問題点が宣伝され世間の注目が集まってしまいます。これが異例の即席判決の理由だと考えます。
 できれば,この様なことを許さない世間の関心を呼ぶことが必要だったと反省しています。


4 しかし、この取り組みの成果あり
  前掲の新聞記事のとおり,首長の退職金が高額すぎるとの世論,政党の対応が生まれてきました。裁判提起前には考えられなかったことです。
 この裁判を遂行してきた価値はあったと言えます。

控訴審始まる!   石油類 違法随意契約購入住民訴訟 呼び起こそう世間の関心を! 
 旧八尾町、滑川市、富山市が石油類を、法律で随意契約によることが認められている例外にあたらないのに競争入札しないで購入し、競争入札で購入している県立高校と比べ数割高の代金を支払って税金のむだ遣いをしている問題の住民訴訟で,請求を棄却した富山地裁判決に対して控訴しましたが,第1回の期日が9月12日午後4時からと決まり,高裁金沢支部での審理が始まります。
 同支部は上記の元知事退職金裁判で論理破綻の判決で行政をすくった所です。この判決も上記退職金裁判と同じくらいおかしな判決です。論理的に詰めていけば本来勝てる裁判です。
 皆さん,是非関心をお持ちいただき,また,周囲の人の関心も広げ、おかしな判決が出ないように盛り上げていきましょう。

  政務調査費アンケート調査 富山県・富山市分の結果
 今年の全国大会に向け6月に全国各地で取り組まれた自治体議会の政務調査費に関するアンケート調査について富山県議会・富山市議会分の結果がまとまりました。
 アンケートは両議会の全議員にアンケート用紙を郵送し、ファックスなどでの回答を求める方法で行いました。
 回答は、富山市議会では48人中33人から、これ
  

に対し県議会では40人中6人からしかありませんで
した。
 会派別に見ると、県議会では自民(1人のみ),社民、公明、無所属から、市議会では、自民(多数)、民政、市民派クラブあゆみ、倫誠から回答があり、その他の会派からは回答がありませんでした。
 同一政党でも県議会と市議会で対応が大きく異なるところがあり、興味深いところです。


富山県議会、富山市議会 政務調査費議員アンケート結果 2007年6月実施

 県議 市議 県議 市議 県議 市議
1.現在支給されている政務調査費の交付 額について、どう思われますか?    多い    妥当    少ない
0 1 5 5 1 27
2.政務調査費の支給対象について、どの ようにすべきとお考えですか?    会派会派と議員個人   議員個人
3 29 1 1 2 3
3.政務調査費支出の領収書を公開するこ とについてはどのようにお考えですか? 全面公開 一定額以上公開 非公開
5 2 1 30 0 0
4.政務調査費をもちいた活動の報告書を 作成して公開することには? 賛成である  反対である その他
4 26 0 0 2 6
5.政務調査費による視察の報告書を作成 して公開することには? 賛成である  反対である その他
5 28 0 0 1 5
6.政務調査費の支出が1件ごとにわかる 会計帳簿を作成して公開することには? 賛成である  反対である その他
3 4 0 1 3 28


  活 動 日 誌
6月
  2 オンブズパーソン53号発行
3 例会
13 石油随意契約住民訴訟(滑川市,富山市,旧
   八尾町)控訴
 15 朝日新聞東京本社,長瀬甚遠氏について取材
 18 運営委員会
 20 小矢部・知事退職事件報告会
7月
10 知事高額宿泊費住民訴訟第1回
 17 運営委員会
 20 知事退職金返還裁判上告棄却・不受理決定

=今後の予定=
8月12日()14時~ 例会 中央法律事務所
9月12日(水)13時10分・富山地裁
   上海便事業高額宿泊費住民訴訟第2回期日
15時30分・高裁金沢支部
   石油類違法随意契約住民訴訟第1回期日
9月15日(土)13時~16日(日)0時 全国大会
  テーマ
   「ほだな使い方でいいんだが?政務調査費」
  講 演  佐高 信
   「情報公開は民主主義の源泉」
   山形市ビッグウィング
9月18日(火=変則)19時~ 運営委員会 同上

 投  稿  
         理事 松永定夫
「情報公開開示延長に
   意見書を知事に提出」
 
 平成19年6月15日付けで県8部局を対象に公文書開示請求した件について同8部局から以下の同一の決定期間特例延長通知書を頂きました。

「相当の部分について開示決定をする期間の満了日は、上記平成18年7月14日付け公文書開示請求に対する開示決定等の処理が完了した日から45日以内」

 同通知にある“相当・・・45日以内”について情報公開係の山崎係長は「相当は45日内に開示対象文書中で準備が整ったもの」と答えられ、又、45日以内に準備が整わなかった残りの対象分について、厚生部企画課の上田副主幹は概ね5箇月間要すると答えられました。
 私はこれに疑問を感じます。
 第1の疑問点は8部局が一律に45日以内とすることです。このような延長通知は理解ができません。平成17年度分の開示をほぼ完了した段階で各部局は、開示した資料の量や準備に要した口数を把握していた訳ですから、今回請求した平成18年度分の開示決定期間対応について、8部局は異なった開示延長期日になるべきはずです。
 第2点は「相当の部分について」等と開示量を曖昧にし、且つ45日の期間以内に準備が整わなかった残りの閲覧対象分については、開示の期限を無制限にしています。
 更には、閲覧者に対して上記5箇月間等と長期間に渡り待機期間を求めながら、開示の準備に係る工程や日程計画について公表する必要はないと強弁しています。
 詳細は私のブログ「富山県情報公開日誌」
① 第2段随意契約に係る趣旨説明(6月17日)② 県厚生部の開示計画(7月5日)
で公開しております。
 これらの対応を、以下の富山県の情報公開制度の概要で示されている文章と比較して下さい。
「 3 情報提供施策及び公開制度の拡充
 各実施機関では、県民が県政に関する情報を正確で分かりやすく、しかも迅速・簡単に得られるよう、次のことに努めることとなっています。
① 県民の情報ニーズを的確に把握し、正確で分かりやすい情報の積極的な提供
② 広報活動の積極的な推進、行政資料の目録整備、閲覧施設の充実、情報の所在案内などの情報提供施策の拡充
③ 主要な施策などの情報公表制度の拡充
 この制度は、情報を分かりやすく加工して、多くの県民に理解しやすい形で提供ができるなど特長があり、「公文書開示制度」の限界を補う弾力的な機能があります。
 情報化社会の中で県民の多様なニーズに応えていくためには、それぞれの施策の特長を生かし、両者があいまって十分に機能するシステムを作り、運用していく必要があります。」

今回の意見書は、上記情報公開制度の拡充で記載されている内容と著しく異なった開示対応が行われている実態や開示関係者の姿勢について指摘しました。石井知事ご自身で事態を把握頂き、ご回答並びに関係部局に対して適切な指摘・ご指導をお願い致したいと思います。

今号の標語
*続く談合摘発*
 落札率低下は
首長の決意と
 担当者の工夫と熱意
     のあらわれ!

==封筒宛名の○●の意味は?==
 昨年NPO発足以降に会費の振り込みがあった方は○,まだの方は●です。 ●の方は今年の総会までに振込入金いただけると幸いです。
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by ombudst02 | 2007-07-28 20:00 | オンブズパーソン54号